福祉業界で働く新卒への未来レター【横浜版】|ラ・レトル » 生活支援員と相談支援専門員の違い

働き方のキホン|生活支援員と相談支援専門員の違い

福祉業界で働く人は、誰もが「障害を抱える人の支えになりたい」と願っているでしょう。その思いは同じでも、職種によって支援の仕方は変わります。ここでは福祉業界への就職を目指している人に向けて、さまざまな仕事の形やキャリアアップについてお伝えします。

福祉業界における
「直接的な仕事」と
「間接的な仕事」の違い

障害を抱える人が自立した生活を送れるように支援するのが福祉の仕事であり、その目標に向かって仕事をしているのはどの職種も同じです。福祉の仕事は介入の仕方によって大きく「直接的な仕事」と「間接的な仕事」に分かれますが、前者の代表が「生活支援員」、後者の代表が「相談支援専門員」です。

直接的な仕事「生活支援員」

生活支援員は生活の直接的な支援を行うのが仕事で、福祉の仕事の中でもっとも利用者さんに近いポジションにいる職種です。基本的には食事や入浴、排泄といった身体介護のほか、調理や掃除、洗濯などの家事支援や金銭管理などが主な仕事です。

間接的な仕事「相談支援専門員」

相談支援専門員は直接的な支援を行うことはなく、相談内容に基づくプランの策定を通じて利用者さんに間接的な支援を行う職種です。利用者さん本人や家族の相談援助関係機関との連絡調整サービス等利用計画の作成やモニタリングが主な仕事です。

そのほかの福祉業界での
働き方

上記のほかにも、福祉業界にはさまざまな仕事があります。

職業指導員

職業指導員は、障害を抱える人が就職するために必要なスキルや知識、マナーを身につけられるよう、さまざまな面からサポートする仕事です。たとえばパソコンや印刷、木工、園芸などのスキルについて、利用者さんの適性や好みに応じてトレーニングを行います。

児童指導員

児童指導員は、家庭の問題などで養護が必要な18歳までの子どもたちの育成や生活指導などを行う仕事です。個別のプランに基づき、生活全般におけるトレーニングや進学・就職に向けた支援、児童の引き取りに向けた保護者との面談などを実施します。

保育士

保育士は、6歳までの子どもたちを預かって保育を行う仕事です。子どもの身の回りの世話や健康状態のチェックのほか、集団生活のルールや友達との接し方を指導したり、保護者からの相談に対応したりします。

福祉業界における
キャリアアップ

福祉職のキャリアアップは、本人だけではなく事業所にとっても大切なテーマです。一人ひとりのスタッフが知識や技術を高めてケアのレベルが上がれば、事業所もサービスの質が向上します。そのため、スタッフのキャリアアップを積極的にサポートする事業所も増えています。

ひとつの例として、生活支援員のような福祉職が相談支援専門員へキャリアアップするルートを紹介しましょう。

相談支援専門員への
キャリアアップ

福祉職の方が相談支援専門員にキャリアアップするには、職種に応じて3~10年の実務経験相談支援従事者初任者研修の受講が必要です。この両方をクリアすることで、相談支援専門員の資格を得られます。

この資格は更新制で、相談支援従事者現任者研修を5年ごとに受けなければなりません。

相談支援従事者初任者研修とは

相談支援従事者初任者研修の目的は、相談支援専門員に求められる基本的な知識やスキルを習得することです。主な内容は相談支援に関する視点から福祉、医療、就労、教育などの分野に関する知識、障害者の人権や自立支援、福祉サービスの種類と利用方法、支援計画の作成などが網羅されています。

研修にはインターバル実習も含まれます。具体的には1人の支援対象者を選択し、面談による情報収集やアセスメント、計画作成を経験し、相談支援の一連のプロセスを実践してその記録を作成します。地域の社会資源の情報収集や調査なども行います。

相談支援従事者研修とは

相談支援従事者研修は、相談支援専門員の資格更新のための研修に位置づけられています。日々の実践を振り返りつつ、国の障害福祉政策やソーシャルワークの成功例などを学び、専門職としてのスキルアップを目指すのが目的です。

この研修は、前述の初任者研修を受けてから5年以内に受講しなければ資格を更新できません。現任者研修の修了後も同様です。もし更新を逃すと相談支援専門員の資格を失い、改めて初任者研修から受講し直す必要があります。

La Lettle編集チームから

このページでは、障害を抱える人に対する支援には「直接的な仕事」と「間接的な仕事」があることを解説しました。福祉業界は支援対象によってさまざまな仕事があり、実務経験を積むことでキャリアアップも可能です。就職説明会や施設実習は、どんな働き方ができるか、将来のキャリアを具体的に考えるきっかけになるので積極的に参加することをおすすめします。

La Lettle編集チームから
ABOUT THIS MEDIA
当メディア「ラ・レトル」とは

横浜市の福祉業界へ就職を考えている新卒就活生のためのメディア「ラ・レトル」は、現職社員の声を集めた就職者向けポータルサイト「VOiCE」を運営するZenken株式会社が制作・運用しています。「福祉」という、クリエイティブで奥深い業界の魅力をぜひ知ってもらえることを願います。