いったん障害者施設の実習に入れば、利用者さんの支援に関わる以上、スタッフと同じように自覚と責任を持った行動が求められます。事前の心構えはもちろん、社会人としてのマナーも身につけておかなければなりません。
まず、施設実習前に知っておくべき社会人としてのマナーをお伝えします。
実習は学校で行うものではなく、実際の障害者支援の現場、つまり職場で行われるものです。それぞれの職場には規律、ルールがあり、それらを乱すと業務に支障が生じ、利用者さんの支援に影響を及ぼします。このようなことがないように協調的な態度で行動することが、社会人としての最低限のマナーです。
また、障害者支援施設には多くの方が出入りします。挨拶や言葉づかい、訪問者の対応にも気配りが必要です。挨拶は相手に聞こえるようにはっきりと、また、挨拶はされる前に自分からすることを心がけましょう。
実習は原則として学校からの依頼に基づき、施設での検討を経て受け入れられるものです。実習担当スタッフの指示は必ず守りましょう。
指示や時間を守らない、自己判断、実習中のスマホ操作など、個人的で不謹慎な行動は実習生自身だけではなく学校にも迷惑が及ぶことがあります。「学校を代表している」という気構えを持ってください。
スタッフから指示を受けるときは真面目に聞き、質問がある場合は許された時間・場所を積極的に利用しましょう。現場のスタッフに直接話を聞ける貴重な機会なので、有効に活用すべきです。
実習生とスタッフの立場は違いますが、利用者さんに直接関わる以上、担当スタッフの指示のもと自覚と責任を持って実習を行ってください。特に日常生活業務の場合は、実習生も利用者さんを支援する立場にあります。支援にあたっては臆することなく、担当スタッフに相談しながら積極的に行動することが求められます。
担当スタッフの指示に従うだけではなく、実習の意義を十分に理解し、意欲的かつ積極的に実習に臨みましょう。
「何のために実習を行うのか」「自分は何を学びたいのか」を自分なりに考えた上で、担当スタッフに相談しながら実習期間を過ごしてください。
利用者さん一人ひとりの人権を尊重することは当然であり、間違ってもプライバシーを侵害するようなことがあってはなりません。自分の生活もさまざまな場面でプライバシーが守られているように、利用者さんに対しても当たり前のこととして向き合ってください。
そして実習中に知った個人情報は、実習中はもちろん、実習修了後も絶対に口外してはいけません。
実習中は環境変化や疲労などで体調を崩しやすくなります。十分な睡眠を心がけて体調を整え、健康管理に努めるようにしてください。
体調不良を感じたら、早めに担当スタッフに申し出て指示を受けましょう。施設における実習では、病気、特に感染症には細心の注意が必要です。
実習はスタッフの業務と同じく、日常生活の支援や作業、レクリエーション等に参加し、その中で利用者さんと関わっていきます。もちろん支援や活動そのものにも目的や意義がありますが、何より利用者さんとの関わりが重要です。
利用者さんとの他愛のない会話も、決して無意味なものではありません。関係性を深めたり、雑談の中に困りごとや不調の兆しを見つけたりと、非常に大切なものです。相手を知りたいという気持ちがあれば、それはきっと伝わります。目の前の利用者さんを知ろうとすることが、意思疎通の第一歩だと心得ましょう。
多くの施設では実習前にオリエンテーションを行い、スムーズに実習に入れるように配慮されていますが、あらかじめ以下について準備しておきましょう。
実習を控えている学生さんが不安に思うのは、やはり利用者さんとのコミュニケーションではないでしょうか。そんな人のために、生活支援員として活躍している業界の先輩から実習生時代の思い出を語ってもらいました。
いわば実習とは「初めての現場」であり、学校では経験できない貴重な学びの場でもあります。どんな心構えで実習をスタートすべきか、福祉施設の中堅スタッフさんに実習生に望むことを伺ってみました。
学生さんが実習で学びたいことを考えるように、事業所も実習生に期待していることがあります。ここでは、施設のベテランスタッフさんが実習生に学んでほしいこと、準備しておいてほしいことを語っています。
画像引用元:社会福祉法人ル・プリ(https://le-pli.jp/)
「ル・プリ」は、人と人とのつながりを大切にした対人援助やウェルビーイングの実現に取り組む社会福祉法人です。職員が1 つの大きなチームとなって障害を持つ目の前の方と向き合い、安心できる生活の場を提供しています。横浜市内10 区で展開する知的障害の方の障害者支援施設では、利用者さんが社会活動に参加しやすいよう、地域コミュニティに根ざした自立支援援助なども積極的に行っています。
画像引用元:社会福祉法人ル・プリ(https://le-pli.jp/)
「ル・プリ」では、障害部門、児童福祉部門、高齢部門、保育部門の4 事業を幅広く展開しているため、入社後に障害部門から児童福祉部門へ など、転職をせずとも1 つの法人の中で様々なキャリアチェンジが可能です。
奨学金をつかって大学に通っている場合、貸与型奨学金制度(在学中卒業まで対象)や、奨学金返済支援手当(返済開始から10年)といった制度を利用することで、金銭的な面でもサポートが受けられます。
横浜市の福祉業界へ就職を考えている新卒就活生のためのメディア「ラ・レトル」は、現職社員の声を集めた就職者向けポータルサイト「VOiCE」を運営するZenken株式会社が制作・運用しています。「福祉」という、クリエイティブで奥深い業界の魅力をぜひ知ってもらえることを願います。