障害者施設での実習1. コミュニケーションの方法

実習先について調べられることをチェックしておきました。自分が実習する部署だけではなく、施設としてどのような支援をどのように行っているのかも調べました。

児童相談所の一時保護所で実習を受けたとき、授業中に絵を描いている子がいました。私は授業を受けるように促したのですが、拒否されてしまったんです。スタッフさんに聞くと、「普段から座っているのも難しい子。まずは座っていられることを褒めては」とアドバイスをいただきました。

次の日もその子は授業中に絵を描いていたので、「素敵だね」と伝えてみました。それから会話ができるようになり、「あの問題、できるんじゃない？」と授業の内容に触れると1問だけ解くことができたんです。

この出来事で、「プラスから入ること」の大切さを知りました。これは障害者支援でも児童支援でも役に立つアプローチだと思います。

実習前は不安と緊張が強く、悪い印象を持たれないようにがんばらないと、そんなふうに思っていました。実習も後半になると「次はこんなふうに声をかけて見よう」とか「どうしてこんな行動をしたんだろう」とか、観察と行動のことばかり考えるようになりました。

どうやって接するべきか、どんな得意不得意があるのかを考えて、自分から利用者さんにアプローチを続ける毎日を送っているうちに、自分の内向的な性格が前向きになって、自分に自信を持てるようになりました。

上手くやろうと気負いすぎると、緊張して普段の力も発揮できないかもしれません。どんな施設なのか見学に行くような気持ちでいいと思います。スタッフさんも、実習生が上手くやっているかどうかは厳しくチェックしていないのではないでしょうか。

それよりも、遅刻しない、きちんと挨拶する、しっかり話を聞くなど基本的なことを忘れなければ大丈夫です。教えてもらったことを忘れてしまいそうだったらメモを取りましょう。

最初はわからないことだらけで毎日が不安だと思います。でも、誰でも最初はできないのが当たり前だし、きちんと出勤して一日の仕事をこなせただけでも自分を褒めていいんです。

自分でも気づかないうちにできることが増えていくと思うので、焦らなくても大丈夫です！